連日の厳しい猛暑、酷暑。 今年の暑さは異常。
人も命を落とすと言う、 こんな危険な暑さでは、 外出も躊躇してしまいます。
ようやく夕方になってから散歩に・・・
いつもの散歩道で異変を発見。
道の向こうにある草原の草や花が枯れ始めていました。
除草剤を散布したはずもなく、立木もないため、 土が赤くが乾いています。
そして、さらにアスファルトの道路上では
”ミミズ” が干からびていました。
炎天下のアスファルト上は 50℃を超えるといいます。
草の中も土の中も暑くて、 ミミズも熱中症?
意識もうろうとしながら、感覚も鈍って さらに暑い(熱い)道路に迷い出てしまったのでしょうか。
この状態では可哀そうですが、 ミミズもすでに救いようがありません。
これと全く同じシーンが本の中にありました。
大峯千日回峰行と四無行という過酷な行を満行された 塩沼亮潤大阿闍梨さんの
著書『人生生涯小僧のこころ』の中に
たとえどんな小さな命でも救う 目をかけ手を差し伸べてあげる優しい思いで、 死にかけていたミミズを救った話が書かれています。
〈小さな命を救う〉
行の最中は一匹たりとも 殺生はしたくないと心がけておりました。
虫とはいえども大自然の中で生活を 共にしている同じ命です。
たとえ一匹の虫の命であろうと 大切にしたいという思いがありました。
あるとき、舗装された道路の上で
苦しんでいる一匹のミミズを見つけました。</font
> よく見るとミミズは半分干からびて、 苦しそうにもがいていました。
そのまま通り過ぎて10メートルほど行った時に、
ふと思いました。 このまま自分が放っておけば、
あのミミズはおそらく あと数10分で息絶えてしまうだろう。
そう思った時に、 たった一匹のミミズでも せっかくこの世に生まれてきたのだから、
少しでも命を長らえさせてあげたいという 気持ちが湧いてきました。 ミミズのところまで戻り、
ミミズを素手で拾い上げて土のあるところまで運んでいき そして、水筒の水を吹きかけその上から土をかぶせてやりました。
千日の間にそうやって土に戻したミミズは おそらく数百匹あるいはそれ以上いると思います。
ミミズだけではなく、コガネムシやカブトムシを見つけると手を差しのべ、
目についたものは手を差しのべてあげたいという 純粋な気持ちでした。
振り返ってみれば、そんな目に見えない功徳が めぐりめぐって無事に行を行じさせていただいたのだと思います。