サン=テグジュペリーの著書『星の王子さま』に感動した時代がありました。
中学生の頃、”宿題の読書感想文に”という理由で手にした本。
童話のように感じながらも、一つ一つの言葉が心に染み渡り、
感想文は幸運にも全国の読書感想文コンクールで賞をいただくことができました。
どのような感想文だったか忘れてしまいましたが、
今でも忘れられない、キラキラ輝いていた言葉がありました。
「愛は育てていくもの」
「大切なものは目に見えない」
何十年も経て、『星の王子様』を再び手にしてみました。
あの頃の印象とは違い、また新たな輝きを持って語りかけてくれました。
サン=テグジュペリが物語を通して語りかけるメッセージは?
ウワバミに飲み込まれた象が見えないように、外見だけを見て物事の本質を見失いがちな大人たちにぜひ手に取ってほしい本ですね。
見えないものの大切さや純粋な心を思い出させてくれます。
「本当に大切なことは目に見えない」という王子さまの言葉は、
大人になり日々の忙しさの中で忘れがちな大切な真実を教えてくれますね。
愛とは決して後悔しないこと
「ボクのバラにはかなわない。あのバラは、たった一輪でも、キミたち全員のバラより重要なんだ。
なぜなら、ボクが、水をやったり、ついたてを立てたり、ガラスの器をかぶせたりして世話をしたからだ。ボクは、あのバラのために、毛虫だってやっつけてあげたんだ。
不平不満だって聞いてあげたし、自慢するのにだって付き合ってあげた。
バラが、黙りこくっても、我慢してそばにいてあげた。だって、ボクのバラだからね。」
これは星の王子様が自分で大切に育てたバラが
自分にとってかけがえのないバラだったことに気づく場面です。
真心で愛し尽くしたものは、自分のかけがえのない存在です。
「愛とは決して後悔しないこと」
大事なバラが枯れてしまったり、手の届かないところに行ってしまうごとく、
私のことを嫌ってしまったり、私を忘れてしまっても・・・
私が真心を尽くした真実は、私が真心を尽くした時間は、
たとえ結果がどうであれ、決して忘れたり、後悔したくはないですね。
真心を込めた瞬間瞬間の輝かしい時間は結果より大事。
純粋さや愛と絆を忘れない
星の王子様が出会った6つの星の6人の住人たちは、
権力を行使する王様、自分の人気だけを気にするうぬぼれや、
快楽だけを求める飲んだくれの怠け者、お金や財産が唯一の実業家、
夢も希望もなくただひたすら働く点灯人、机上だけで研究する地理学者。
このような彼らは、人間であれば誰もが持っている心の姿や堕落性を表しているようです。
パイロットであったという著者のサン=テグジュペリーは、
美しい星の世界を眺めてきた体験を踏まえて著したのでしょう。
純粋さと愛と絆、大事な心を呼び覚ましてくれます。
どんなに年齢を重ねても、どんなに不幸を吸っても、吐く息は感謝であり、
いつまでも純粋さや愛と絆を忘れない大人でいたいと思います。
💛参考:
「愛とは決して後悔しないこと」とは・・・
1970年3月に『Love Story』という本がアメリカで出版され、
アメリカ国内だけで1200万部の大ベストセラーとなりました。
小説と映画が同時進行で制作され公開されました。
日本では『ある愛の詩(うた)』というタイトルで上映され、
「愛とは決して後悔しないこと」が当時流行語になりました。