日本は「長寿国」と言われて久しくなりました。
今年の敬老の日には、75歳以上の方々に、お祝いのお菓子をお届けしました。
昨年は70歳以上でしたから、元気な高齢者が増えていることを改めて感じます。
長生きされている方に、
「健康の秘訣は何ですか?」と尋ねると、よく返ってくるのが、
「毎日歩くこと」
「食事に気をつけること」
「よく眠ること」
といった答えです。
もちろん、どれも大切なことでしょう。
ところが以前、とても面白い「健康法」を伺ったことがあります。
大統領たちを爆笑させた「五つの健康法」
あるVIPの方が、93歳の元気なお父様について話された時のことです。
お父様から時々聞かされていたという「五つの健康法」を紹介すると、
その場にいた大統領たちが大笑いしたそうです。
その健康法とは――
① 疲れるから運動はするな!
② 薬は絶対に飲むな!
③ うまいものは食べるな!
④ 夫婦喧嘩は大いにやれ!
⑤ 出来の悪い息子を持て!
なんとも大胆な健康法です。
よく考えてみると、なかなか味わい深い言葉でもあります。
「無理な運動はするな。年齢に合った生活をしなさい」
「薬だけに頼るのではなく、自然治癒力も大切にしなさい」
「おいしいからといって食べ過ぎ飲み過ぎするな」
「夫婦は言いたいことを言えるくらいの関係がいい」
そして最後の「出来の悪い息子を持て!」。
子どもはいくつになっても親にとっては子どもです。
心配をかける子ほど、「私がまだ元気でいなければ」と思わせてくれるのかもしれません。
90歳半ばのお父さんが、こんな冗談を言えること自体が、
何よりの健康法だったのではないかと感じました。
105歳の方が教えてくれた「感謝」
もう一人、忘れられない方がいます。
105歳まで長生きされ昨年他界された知人です。
105年という長い人生を振り返れば、決して平穏な時代ばかりではありません。
戦争の時代を生き、戦火をくぐり抜け、戦後の混乱や貧しい時代も経験してこられた世代です。
毎年、お祝いに訪れた人たちから、
「長寿の秘訣は何ですか?」
と尋ねられると、いつもこう答えていました。
「どんなことにも感謝することです」
その方は、何か嫌なことが起きても、できるだけ良い方向に考える、とても前向きな方でした。
105年も生きてこられれば、楽しいことばかりだったはずはありません。
戦争もあり、病気もあり、大切な人との別れもあり、
思い通りにならないことも数え切れないほど経験されたことでしょう。
それでも、長い人生の末に語られた言葉が、不平や後悔ではなく、
「どんなことにも感謝することです」
だったことに、私は深い意味を感じます。
長寿の秘訣とは、体を健康に保つことだけではなく、
どんな出来事の中にも感謝できるものを見つけ、前を向いて生きることなのかもしれません。
いくつになっても夢を持つ
そして、もう一つ大切なのは「夢」を持っているかです。
「来年はあそこへ行きたい、あの人に会いたい」
「孫の成長を見届けたい」
「人のために、まだできることがある」
そんな小さな夢が、明日を迎える力になります。
さらに、家族や友人、近所の人たちと声を掛け合い、笑い合える関係も大切です。
人は誰かに必要とされ、「また会いましょう」と言える人がいるだけで、
生きる張り合いが生まれるものです。

長寿とは「何年生きたか」だけではない
人は年を取るのではなく、年を重ねる。
重ねた年月の中で、経験が知恵となり、苦労が優しさとなり、人生は少しずつ熟していく。
健康のために、適度に体を動かす。
食事に気をつける。十分に休む。
それはもちろん大切です。
けれど、それと同じくらい、
よく笑うこと。
感謝すること。
人とつながること。
そして、いくつになっても夢を持つこと。
これらも大切な「心の健康法」なのではないでしょうか。
年齢を重ねれば、若い頃のようにできないことも増えてきます。
しかし、
「できなくなったこと」を数えるより、「できること」を数えて生きる。
朝、目が覚めたことに感謝する。
誰かと話せたことに感謝する。
食事がおいしかったことに感謝する。
そして、今日も笑えたことに感謝する。
そんな一日の積み重ねが、人生を豊かにしていくのでしょう。
長寿の秘訣とは、ただ長く生きることではなく、
今日という一日を喜び、感謝し、明日を楽しみに生きること。
93歳の「五つの健康法」と、105歳の方の「どんなことにも感謝する」という言葉。
二つに共通しているのは、もしかすると――
人生を深刻に考えすぎず、笑って、感謝して生きること。
それこそが、年齢を重ねても心を若々しく保つ、素敵な長寿の秘訣なのかもしれませんね。


