野口英世の言葉に
「忍耐は苦し、されどその実は甘し」
という名言があります。
忍耐は、確かに苦しいものです。
胸の奥がずしんと重くなるような試練のとき、困難なとき
「もう限界かもしれない」と思う日もあります。
けれど、この言葉は
“苦しみは永遠ではない”
“耐えた先には必ず実りがある”
という確かな希望を私たちに教えてくれます。
まるで、冬の厳しい寒さにじっと耐えた木々が、
春に新芽をのぞかせるように。
忍耐は、未来のどこかで花となり、実となる力を秘めています。
■「忍耐」は人生の良薬──しかし副作用もある
「良薬口に苦し」という言葉があります。
まさに忍耐は、人生の“良薬”です。
苦くて、できれば飲みたくない。
しかし飲みほすと、人生を強くし、豊かにし、
いつか振り返ったとき、確かな「栄養」となっているものです。
ただし、どんな薬にも副作用があるように、
忍耐にも気をつけるべき一面があります。
無理をし過ぎて心をすり減らしてしまうこと。
「我慢=美徳」だと勘違いして、
自分自身を傷つけてしまうこともあります。
だからこそ、
“何のために耐えるのか”
“どこまでなら無理なく耐えられるのか”
を理解しながら向き合うことが大切です。
忍耐は人生を豊かにする力を持っていますが、
使い方を誤れば、心の健康まで失ってしまう――
まさに「用法・用量」を守るべき良薬なのです。
■ 苦い種まきの季節の中で
人生には、どうしても避けられない“苦い季節”があります。
人のためを思って尽くしたのに、誤解される。
誠実に生きているのに、批判される。
感謝されるどころか、心ない言葉を浴びせられる。
根拠のない噂や中傷が飛んでくる。
そんなとき、
胸の奥から怒鳴り返したくなることもあります。
しかし――
そこで耐えた一瞬が、後に大きな果実を生むことがあります。
怒りを飲み込むこと。
感情に支配されず、一段高い視点で物事を見ること。
それは“弱さ”ではなく“強さ”です。
むしろ、もっとも難しい“勇気”と言えるでしょう。
忍耐とは、
「自分を抑えること」ではなく、
「自分を守るための選択」なのです。
■ 忍耐という苦い種は、光り輝く“誇り”に変わる
「忍耐は苦し、されどその実は甘し。」
苦しい今は、甘い実の前触れです。
今日という一日が、未来の私たちにとって
「あの時、耐えてよかった」と
静かに振り返る日の土台となります。
そして――
忍耐という苦い種は、やがて光り輝く“誇り”となります。
誰にも見えないところで黙って耐えた時間。
涙の奥で、静かに立て直した日々。
すべてがいつか、
「私はあの時、逃げなかった」
という揺るぎない自信となり、私たちを支えてくれます。
その誇りは、人知れず積み重なり、
いつの間にか美しい花を咲かせ、
人生をやさしく照らしてくれるでしょう。
■ ゆっくりでいい。無理はしなくていい。
だから、無理をしなくていいのです。
完璧である必要もない。
“明日という希望と夢”に向かって、
マイペースで、静かに一歩踏み出せばいい。
忍耐という苦い種が、
あなたの人生で必ず甘い実となり、
光り輝く誇りへと育ちますように・・・。
