”塩沼亮潤大阿闍梨”は奈良県吉野山金峯山寺で1987年出家得度。
1300年の歴史上2人目となる大峯千日回峰と四無行を満行され、大阿闍梨の称号を得て、2003年仙台市秋保に福聚山 慈眼寺を開山し住職となりました。
仙台秋保の慈眼寺にて毎月1回行われる護摩俢法に行ってきました。
大阿闍梨様が自らが作られた慈眼寺境内に足を踏み入れると、凛とした空気が漂います。
手入れされた庭に草花が咲き、トルコ桔梗の青紫がひときわ目立ちます。
午後13時。いよいよ護摩堂にて護摩俢法が始まります。
護摩堂に入りきれない人たちは、本堂にてモニター参加になりました。
護摩堂では、一か月分の護摩を一時間ほどかけて炊き上げます。
<俢法の写真は慈眼寺のHPよりお借りしました>
読経と太鼓のが連打される祈祷の中で行われる厳粛な護摩炊きの儀式です。
炎は真っ直ぐ天井高く上昇します。
護摩壇の炎に向かって身を乗り出して護摩を投じる塩沼亮潤大阿闍梨。
護摩堂の中の参拝客も汗がポタポタと滴り落ちる凄まじい暑さです。
護摩堂の中はおそらく50度60度か? まるで溶鉱炉のようです。
この凄まじい俢法の様子を、護摩堂の中で太鼓を連打してサポートしていたお坊様に伺いました。
眼鏡フレームが溶けてゆがみ壊れてしまいます・・・
召していた衣は、絞れるほど汗でグッショリ濡れてしまう・・・
仙台秋保の大自然の中で護摩俢法は命がけで行われていました。
<慈眼寺と慈眼寺駐車場:護摩俢法の当日は駐車場120台は満車>
秋保大滝は慈眼寺から車で5分。
秋保大滝は華厳の滝(栃木県)、那智の滝(和歌山県)にならぶ日本三名瀑の一つ。日本の滝百選にも選ばれています。緑萌える初夏、錦秋の秋は見事な眺めとなります。
<秋保大橋からの眺め>
<大峯千日回峰行にちなんだ仙台銘菓”千日餅”:秋保ビレッジで売れ行き2位>
<参考・出典>
福聚山 慈眼寺のHP https://www.jigenji-sendai.com/
「護摩俢法」とは
願いの書かれた護摩木を投じて御祈祷する護摩修法。火は仏の知恵を象徴し、人間の煩悩を滅却する意味合いがあるといわれています。古来から伝わる護摩修法において、様々に迷える私たちの心が良き方向に向くことにより、良き人生がもたらされるという意味があります。
(写真は慈眼寺のHPより)
「大峯千日回峰行」とは
奈良県吉野山にある金峯山寺蔵王堂から24㎞先にある大峯山寺本堂まで、標高差1355mある山道を往復48㎞、1000日間歩き続ける修行です。毎年5月3日から9月3日まで年間4ヵ月を行の期間と定めるので、9年の歳月がかかります。
吉野の山々は、古来より修験道の聖地として崇められてきた。その霊峰を舞台に、行者は1000日間、ひたすらに歩み続ける。それは、己を極限まで追い込む、過酷な修行。それが「大峯千日回峰行」である。
毎日、夜中の0時半に山道へ。道中、118もの神社や祠に立ち寄り、祈りを捧げる。その一つひとつの行為が、行者の心を清め、魂を磨いていく。それは、己との戦い、そして自然との対話。1000日という歳月をかけて、行者は自らの限界を超え、新たな境地へと到達していく。それは、言葉では言い表せないほどの深い体験であり、生と死、苦と楽、そして人間の存在意義について深く問い続ける、荒行である。
「四無行」とは
断食、断水、不眠、不臥を九日間続ける修行です。 これは、食べず、飲まず、寝ず、横にならずこの4つがないということで四無行といいます。 四無行は大変危険な行で、無事生きて行を終える確率が50%といわれています。それ故、行に入る前に浄斎の儀という通称生き葬式を行い、縁のある人達と最後の食事を共にし、今生の別れを告げます。その際、行者は実際には食さず、食べる動作のみ行います。
行に入ると、食べない、飲まない、寝ない、横にならないだけでなく、毎日午前2時に仏さまにお供えするお水を片道200メートルほど先の閼伽井戸まで汲みに行きます。そして一日3回、本尊様の前で密教を修法し読経します。その他の時間は、不動明王のご真言を10万遍、さらに蔵王権現のご真言を10万遍、計20万遍のご真言を数珠と石を使い数えながら唱え続けます。
塩沼亮潤大阿闍梨の新刊著書『くらしの塩かげん〜日々をよくする、生き方のレシピ〜』(2024・6月発売)
WEBサイト「家庭画報.com」に、連載「くらしの塩かげん」を毎週日曜日更新中。https://www.kateigaho.com/tag/detail/shiokagen
<動画お借りしました:護摩俢法とライブペインターさとうたけし氏とのコラボ>