「武蔵深大寺は代々の勅願所なり、此の影像を安置し、
国運を守り、東国の群生を化益し給わん」と記され、
国運を守るという「深大寺」(東京都調布市)に行ってきました。
奈良時代の733年(天平5年)、
満功上人によって開創したと言われ、
東京都では浅草の浅草寺に次ぐ古刹です。
平安時代の859年、天台宗へ改宗されました。
(ちょうど今年令和3年秋は、
天台宗開祖・伝教大師最澄の1200年大遠忌になります)
現存する最も古い建物としては、
山門(元禄8年1695年)、常香楼(天保4年1833年)があります。
椅子に座った珍しい本尊
「銅像釈迦如来倚像」(深大寺白鳳仏)は、
2017年に国宝に指定された東日本最古の国宝仏です。
また、深大寺に祀られている「元三大師像」は、
等身大で造られる肖像彫刻でありながら
2メートル近い巨像であり、
僧形(僧侶のお姿をした)の古像としては
日本最大の大きさです。
令和2年3月、東京都の指定文化財に指定されました。
元三大師(がんざんだいし919~985)は、
比叡山の高僧であり、
荒廃していた比叡山の復興など
数多くの功績を上げられたことから、
比叡山中興の祖として崇められているそうです。
生前の名は良源(りょうげん)、
一月三日に入滅されたことから、
元三大師の通称で広く親しまれ、
生前に人並みはずれた霊力と様々な姿で、
人々を救い、疫病神を退散させた
「厄除けの大師・角大師」とも呼ばれています。
「おみくじ」を初めて作られたことから
「おみくじの祖」としても崇められています。
魔除けの「おふだ」は特に江戸時代以降、
日本中の家々の入口に貼られてきました。
『疫病退散、コロナに負けるな!!』
こんなパンフレット文字が印象的でした。
「武蔵野の水と緑と寺とそば」の
キャッチフレーズを持った深大寺は
周辺に豊富な湧水があり、
昔から人々の心に水神信仰をもたらしました。
深大寺の境内2万坪は、現在も幽邃な林に囲まれ、
古くから13箇所の湧水がこんこんと湧き出して
今も湧き続けています。
湧水を利用した「不動の滝」は
「東京の名湧水57選」に選定されています。
名物の「深大寺そば」は水の恵みと関係し、
蕎麦の栽培、そば打ち、釜茹で、晒しに湧水が利用され、
水車を利用しての蕎麦の製粉も行われてきたそうです。
門前には20件以上のそば店が軒を連ね、
その中の「創業文久年間・元祖嶋田家」に立ち寄って、
深大寺そばをいただきました。
嶋田家は1964年から1965年頃に
文鮮明師がおそばを召し上がったお店です。
この日は、雨でしたが七五三をお祝いする
着飾った可愛い子供と親子に遭遇しました。
寺の北側に隣接した東京都立神代植物公園にも
足を延ばしてみました。
雨に濡れたバラやダリアの花が見事でした。
参考:
・深大寺パンフレット
・調布市観光協会「深大寺さんぽ」
・調布市観光協会「深大寺さんぽ」