人生には八つの風が吹くといいます。
禅語に「八風吹不動 はっぷうふけどもどうぜず」という言葉があります。
人から悪口を言われたり、けなされたり、逆に好評を得たり褒められたり
思わぬ損失や利益を失ったり得たり、突然に災害に見舞われたり、病気になったり・・・
人生には良いことばかりではなく、よくない事や悪い事など、心を惑わす八つの風が吹き荒れるといいます。
八風とは仏法で、利益・損失・衰退・陰口・名誉・賞賛・悪口・苦・楽のことを言い、
それらは人生には付きものです。
人生のさまざまな風が吹くたびに、心の葉っぱは揺れ動き、
嬉しくて舞い上がり、また、悲しみや苦しみのどん底に落とされ、一喜一憂します。
しかし、長い人生ではどんな風も一瞬の出来事にすぎません。
そのような喜怒哀楽が人生を豊かにし、成長につながるといいます。
「動ぜず」とは一喜一憂してはいけないということではなく、
嬉しかったら喜び、悲しかったら泣けばよいのです。
しかし、いつまでもその気持ちを引きずってはなりません。
人生の浮き沈みに対して柔軟かつ強靭な心を育てることが大切。
それは単に無感動になることではなく、喜怒哀楽を感じつつも、それらに支配されない状態を目指すことを意味しています。
このような生き方を実践することで、人生のあらゆる局面で、より安定し充実した人生を送ることができるでしょう。
あなたは大地にしっかり根を張った大樹です。
どんな風が吹こうとも、そんな風に惑わされず泰然として、
たとえどんな小さな風であっても、あなたという樹を倒してはなりません。
しっかり大地に根を張ってどんな風にも倒れない大樹になりましょう。