実るほど頭を垂れる稲穂かな

幸福に生きるために
自分より弱い立場の人、
例えば、子供・年下・格下・障害者・高齢者などのような人には
より丁寧に挨拶し、尊敬と謙遜な態度で接する・・・。
このようにしていたら大きな信頼と尊敬を得るものです。
こんな話があります。

上司から大事な商談と契約を託され
相手の会社社長の元に赴いた社員がいました。
                                                       約束の時間より少し早く到着しました。
遅刻するよりは良いだろうと社長室をノックしました。
                                                     「どうぞ」と、中から返事がしました。
                                                        ドアを開けると・・・
清掃員らしき老人が一人、掃除中でした。
                                                                      白髪の清掃員の老人は「少しお待ちください」と言いながら・・・
清掃を止める様子もありません。
                                                           応接テーブルを丁寧に拭き、
やがて接待のお茶を2つ運んできました。
一つは彼の目の前に、そしてもう一つは社長が座るテーブルに置いて出ていきました。
                                                               彼は思いました。
ずいぶん失礼な会社だな・・・
約束の時間に清掃中・・・
社長秘書ではなく、清掃員の老人がお茶出し・・・
自分は大事なゲストのはずなのに・・・
こんな会社は信用ならない、大丈夫かよ・・・
                                                          憤慨な気持ちで社長を待っていると・・・
やがてドアが開きました。
                                                             すると・・・
先ほどの清掃員がスーツ姿で入ってきました。
                                                           なんと・・・
あの清掃員は社長さんだったんです!
                                                        「お待たせして大変申し訳ありませんでした」
社長は丁寧に頭を下げて、彼に名刺を差し出しました。
名刺には代表取締役と書かれていました。
                                                              その後の商談がどんな結果になったかはわかりませんが、
少なからず、彼は大恥をかいたのです。
                                                                      まさか清掃員の老人が社長だとは思わなかったから・・・
彼は挨拶もせず、お茶のお礼も言わなかった。
イライラとした態度で待っていた。
自分のようなゲストに対して失礼な会社だと見下していたのです。

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自分より弱い立場の子供・年下・格下・障害者などのような人に対して
どのように挨拶をし、どのような接し方をするかで
その人の人格が見えると言います。
 
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『実るほど頭を垂れる稲穂かな』と言う有名なことわざがあります。
稲の穂は実るほどに穂先が重く下がり、
知識や徳を積んだ人ほど謙虚な人間になるという意味です。
 
人間も偉くなればなるほど、
どのような人にも尊敬と謙虚な姿勢で接し、
成長発展する会社ほど、社長や社員の態度も丁重で謙虚です。
しかし、残念なことに・・・
誰にでも尊敬と謙虚な念で接することは、そんなに簡単ではありません。
無意識のうちに人を見た目で判断し、
自分のモノサシで測り、見下しています。
************
 
実は・・・
このお話は主人の会社で起こった話です。
 
主人はいつも始発の電車に乗って出勤しています。
会社に誰よりも一番に出社し、鍵を開け窓を開ける。
 
清掃員の女性と一緒に掃除をし、
自分の部屋だけは自分で掃除しないと気が済まない。
花瓶の水を変え、観葉植物にも水をやる
 
ダウンロード (8)
掃除の後は、湯を沸かして社員たちのお茶の準備をする。
社員が出勤して来るまで、一人お茶を飲みながら朝刊に目を通す。
 
こんな主人は決して立派な社長ではなく、
まるで昔の学校の用務員さんのようです。
このような習慣は止めてくださいと社員から言われているようですが・・・
 
「これが私の仕事だ」と言いながら50年も経てきました。
おかげで、遅刻する社員は、いまだに一人もいないとか。
 
しかし、やっと今月12月いっぱいで・・・
この習慣と仕事にピリオドすることになりました。
長いこと本当にお疲れ様でした。
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