誕生日祝いは、本人のためというより、
実は産んでくださった両親と神様に感謝するお祝いだと聞いたことがある。
だけど、39歳にもなった娘のために、今年もやっぱり誕生日ケーキを作った。
何歳になっても、私の子供は子供なのだから。
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42年前、私が長女を出産するときは、
大きな大学病院で実験台のモルモットのようにして出産した。
その当時は、珍しい出産方法だったのか、
気が付くと私の分娩台の周りをたくさんのドクター達が囲んでいた。
そのことがショックで、
次女の出産はお産婆さんの小さな助産院でした。
だから私は、徹底的に自然分娩やラマーズ法、
お産のメカニズムなどを勉強した。
出産当日、自宅では、ラマーズ法の呼吸法とマッサージで、
痛みを回避しながらギリギリまで頑張った。
私を乗せた主人の車が助産院に到着するころには、
胎児(次女)の頭が出かかっていた。
ものの30分もたたないで、
赤ちゃんの産声を控室で聞いた主人の母が
「エッ?もう産まれたの?」と驚いたそうである。
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そのようにして産まれてきた娘たち自身も、
出産はラマーズ法を取り入れてで夫と協力しながらしてきた。
2018年10月、長女が5人目を出産するときも、
分娩室に婿や孫たちと私も入って、祈りの中で
生まれてくる赤ちゃん(4男)をお迎えした。
娘は、いきみがない時間は分娩台の上で子供たちと楽しそうに会話していた。
体質なのか、毎回、長女はスルッと産んでしまうので、
これが出産なのかと、みんなびっくりする。
科学者希望の孫の長男(11歳)は、
終始冷静に観察していたが、取り出された胎盤に興味を持った。
孫の三男(6歳)は、分娩室の中をウロウロしていたが、
生まれる瞬間はパパにしがみついていた。
しかし、心優しい二男(9歳)だけが泣いていた。
何度も何度も涙を拭いた。
「怖い?」と二男に尋ねると、
顔を横に振って言葉が出ない。
産まれてきた赤ちゃんを、
お兄ちゃんたちは順番に抱っこしながら
「チョウム ぺッケスンニダ!(初めまして!)」
しばらくしてから、泣き虫二男が私に言った。
「感動した!!」
「僕もこうやって生まれてきたんだね?
オンマ(お母さん)は凄いね!」