こんにちは~
きょうは、小林正観氏の著書の中から、感動的なお話を要約して紹介します。
知的障害を抱える私の長女は、筋力が足りないため速く走ることができません。運動会の徒競争ではいつも「ビリ」です。
けれど、小学6年生のとき、娘は足をねんざした友達と二人で走ることになりました。
妻は「今回はビリじゃないかもしれない」と、少し期待していたようです。
ところが、運動会から帰ってきた妻は、「やっぱりビリだった」と言いながら、いつも以上に嬉しそうな笑顔を見せました。
妻の話では、娘は何度も振り返り友達を気にかけながら走ったそうです。
ところが、レース中に友達が転んでしまったのです。
すると娘は走るのを止め、駆け寄って手を引いて起こし、二人で一緒に走り出したそうです。
更に、ゴール前で、娘はその子の背中をポンと押して、先にゴールさせたのです。
観客から大きな拍手が起こり、誰もがその姿に心を打たれたそうです。

私たちは、子供の頃から「競争に勝つこと」「努力して一位になること」が、良いことだと教育の中で教えられてきました。
テストで良い点を取る。運動会で速く走る。コンクールで金賞を取る・・・。
確かに、努力して結果を出すことは素晴らしいことです。
でも、一番になることが、それほど大切なのでしょうか?
思いやりより、勝つことが大事?
家庭や社会教育の中で、もし「勝つことが正義」「負けるのは努力不足」だと教え続けたら——子どもたちは失敗を恐れ、自分と他人を比べ、ストレスを抱え、自信を失ってしまうでしょう。
実際、様々な原因があるでしょうけれど、10代という若さで自ら命を絶ってしまう未成年者の自殺者数は、先進国G7おいてなんと1位が日本です。
本当の教育とはなんでしょう?
それは、他者の痛みに気づき、その想いに寄り添える優しさを育むこと。
互いの違いや個性を受け入れ、それぞれの強みや弱みを認め合い、支え合う力を培うこと。
そうした心が育まれれば、「生きていてよかった」と心の底から感じられ、自殺などは考えないでしょう。
人生で本当に大切なこと
大人社会でも同じで、人生の目的は、比べ合ったり、争ったりすることでも、誰かに勝つことが重要ではありません。
本当に大切なのは、人の喜びと幸せのために行動できる心を持つこと。
誰かの痛みに寄り添い、手を差し伸べ、支え合って、
「あなたがいてくれてよかった」と喜ばれる存在になることだと思います。
「誰かを思いやることの美しさ」を大切にして行きたいですね。
