「神様は、願いではなく、本当に必要なものを与えてくださる。」
人生には、「なぜ私だけが…」と思うような出来事があります。
病気、失敗、挫折、人との別れ、経済的な苦しみ――。
誰も進んで苦労を選びたいとは思いません。
しかし、その苦しみの意味を、160年以上前に一人の兵士が見事に言い表しています。
南北戦争の兵士が残した「無名兵士の詩」
アメリカ南北戦争で負傷した一人の兵士が、
病院の壁に書き残したと伝えられる詩があります。
その最後は、こんな言葉で締めくくられています。
「求めたものは一つとして与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた。」
「私はもっとも豊かに祝福されたのだ。」
彼は、強さを求めたけれど弱さを与えられた。
健康を求めたけれど病気を与えられた。
成功を求めて失敗を経験し。
富を望んで貧しさを味わいました。
しかし、人生を振り返ったとき、
それらすべてが自分を成長させるために必要な贈り物だったと気づいたのです。
試練は「神様からの拒絶」ではない
私たちは順調な人生こそ祝福だと思いがちです。
けれども、本当に人を成長させるのは、
思い通りにいかない時間なのかもしれません。
苦しみの中で人の痛みが分かるようになり、
失敗を経験したからこそ謙虚さを学び。
病気を通して健康のありがたさを知る。
逆境は私たちを壊すためではなく、
より深い人格へ導くための時間なのかもしれません。
「幸運は不運の姿をしてやってくる」
多摩大学大学院名誉教授の田坂広志氏は、自ら大病を経験し、
死の淵から生還した体験を通して、こんな言葉を残しています。
「幸運は不運の姿をしてやってくる。」
<写真:田坂広志氏>

一見すると不幸にしか思えない出来事が、
何年か後になって人生最大の転機だったと気づく人は少なくありません。
あの時の失敗があったから今の自分がある。
あの別れがあったから本当に大切なものに出会えた。
そんな経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
振り返った時に見えてくる神様の導き
苦しみの最中には、その意味は分かりません。
「なぜ今なのか」「なぜ私なのか」
そう問い続ける日もあります。
しかし人生を振り返ると、あの時の涙も、遠回りも、失敗も、
すべてが今の自分をつくっていたのです。
だからこそ、どんな試練にも無意味なものはありません。
今日の苦労は、未来の祝福になる
人生には、楽な道と困難な道があるといいます。
私たちはつい楽な道を選びたくなりますが、
人間として最も成長するのは、困難を乗り越えようとするときです。
無名兵士の詩は、「苦しみを喜びなさい」と言っているのではありません。
「今は理解できなくても、この試練には意味がある。」
そう静かに語りかけているのです。
もし今、苦しみの中にいるなら、すぐに意味が分からなくても、
感謝の心だけは失わないでください。
朝の来ない夜はなく、嵐もいつかは過ぎ去ります。
神様は、私たちが願ったものを与えるのではなく、
私たちが本当に必要としているものだけを与えてくださるのかもしれません。
一つひとつの出来事を通して、私たちをより豊かな人間へと育てようとしておられるのです。
だからどんなことにも感謝して歩みたいと思います。
感謝の先には希望があり、
希望の先には、神様が備えてくださった新しい祝福が待っています。

