「どんな時にも人生には意味がある。未来で待っている人や何かがあり、そのために今すべきことが必ずある」
ナチスの強制収容所で生き延びた、
ヴィクトール・E・フランクル(精神科医、心理学者)の名言です。

第二次大戦中、ユダヤ人であるフランクルは、
アウシュビッツという飢えと重労働の、
極限の最悪の状況の中にあっても、
人に優しい言葉をかけたり、
自らパンを身体の弱った人に分け与えたりするなど
人間らしい尊厳のある利他的行動を
取り続けた人がいたことを体験しました。
その時の体験を『夜と霧』に著しています
フランクルは、どんな過酷な環境においても
生きる姿勢や態度に究極の価値があることを見出しました。
それを「態度価値」というそうです。
「病や貧困やその他様々な苦痛の前で、
避けられず逃れられない事実であっても、
重要なのは、状況ではなくて、
それに対する態度や姿勢が重要である」
と言いました。
どんな態度をとるのか?
どう適応し、どうふるまうのか?
自分に課せられた「十字架」として引き受けられるか?
どんな生きがいを見出せるのか?
人は、人生において様々な苦難や苦痛の中にいます。
逃げることも避けることもできない、
病気、死別、失業、離別、貧困・・・、
更に自然災害、コロナ禍、そして戦争・・・
今、地獄の渦中にいるウクライナの人々は、
必死で生きるようとしています。
アウシュビッツやウクライナの状況と比較したら
今の私たちの苦労や苦痛は、どうでしょうか?
「感謝」という言葉しか見つかりません。
態度価値に関係する
フランクル、韓鶴子女史、マドラーの名言を抜粋してみました。
~韓鶴子~
「私の人生において、
まさに天国と地獄をすべて通過してきたのですが、
そのどちらも、神様が期待される完全に成熟した人格を
形成するために必要なものでした」
~アルフレッド・マドラー~
「人生が困難なのではない。 あなたが人生を困難にしているのだ。
人生は、きわめてシンプルである」
~ヴィクトール・E・フランクル~
「深刻な時ほど笑いが必要だ。
ユーモアの題材を探し出せ。 そこに現状打破の突破口がある」
「倒れそうな建築は、屋根に重荷を乗せるとしっかりする。
人間も、負担を背負ったほうが強い」
「苦悩があるから、成熟する。 苦悩したからこそ、新しく成長できる。
喪失、艱難、苦悩は、人に豊かなものを与えてくれる」
「どんな時も、人生には意味がある。
どんな人のどんな人生であれ、意味がなくなることは決してない。
だから私たちは、人生の闘いだけは決して放棄してはいけない」
「真の信仰をもっている人たちはすぐにわかる。 彼らには優美さがある。
自我や知性、地位や権力などにとらわれていないからだ」
「成果がなかったということは、 無意味だったということではない。
たとえば、恋愛に成功しなかったということが、無駄だったとか、
心を痛めただけだったということを意味しているのではない。
なぜならば、その苦悩の中で人はたくさんのものを得るからだ」
「人生の幸福は、どれだけ快楽を得たかではなく、
どれだけ感動を得たかによって決まる」


