こんにちは!
きょうは私が出会ったストイックな91歳の気功師の先生のお話をします。
だいぶ昔の話になりますが、2009年の8月、私はある気功師の先生を訪ねました。今もお元気でいらっしゃれば、106歳になる方です。懐かしい当時の再会の様子をお話ししたいと思います。
私が初めてお会いしたのは、2000年頃になりますが、あの頃と少しも変わらず、背筋がピンと伸び、医師からは「70歳の身体」と診断されたそうです。
「元気室」と名付けられた彼の治療室に案内されました。
彼は、意識を集中させ「氣」を発し、患者の体や心の不調を治療していました。歩けなかった人が、たった5分で歩けるようになり、呼吸困難だった女性が数分で平常に戻り。死の淵にいた人さえ回復させたというのです。
それだけではありません。遠くに離れた人にも「氣」を届ける遠隔治療まで行って、最近ではアメリカに居る患者を癒したそうです。人間関係のトラブルも、遠隔で解消したことがあるとか。元首相の宮沢氏や福田氏からも感謝状を贈られたという、まさに“奇跡の達人”でした。
彼はこんな驚きのエピソードを話してれました。
ある日、新宿駅のバス停でタバコのポイ捨てをした暴力団の男性に注意したところ、逆に絡まれてしまいました。大柄な男の拳が彼に向かって飛んできた瞬間、男の身体が宙に舞ったのです。彼が瞬間的に発した「氣」によって、男は吹き飛ばされたそうです。
もちろん怪我がないことを確認し、丁寧に治療も施して返したとのこと。
このような不思議な力を維持するために、彼は日々、ストイックな生活を送っていました。負債のある生活は絶対しない、私利私欲のために治療をしない。名声を求めて本を書くこともせず、傲慢な態度やマイナスの言葉は一切発しない。人のために尽くすことを何よりも大切にされていらっしゃると話してくれました。
「こういう能力は、誰にでも備わっているんですよ」
そう言って、氣を高める呼吸法と瞑想法を教えてくださいました。
そして最後に彼は言いました。
「あなたの貴重な時間をくださったのだから、私はあなたのために何かしなければね」
そう言って、ジッと私を見つめました。
私は治療をしてもらうつもりなど全くなく、ただ「氣」の話を聞きたかっただけでした。
ところが、彼はしばらくしてこう言ったのです。
「背骨を強打していますね。どこかで転んだの?」
私は思わず首をかしげました。そんな覚えも自覚症状も全くありませんでした。
だからその時は「いいえ」と答えました。
しかし――。
それから数年後、私は腰痛に悩まされ、医師から「脊髄管狭窄症と滑り症」と診断されました。その瞬間、実はずっと前に、階段から滑り落ち腰を打ったことを思い出しました。
あの時、彼が言った「背骨を強打している」――。
あれは単なる推測ではなく、彼が私を“霊視”していたのだと、改めて彼の凄さを実感しました。
氣を発している時はまさに“達人”の顔つきになりますが、普段は子どものように無邪気で、屈託のない笑顔を向けてくださいます。
「今日あなたに話したことは、あなたを通して1000人に伝えたのと同じ。だからあなたは1000人のために頑張りなさい」
帰り際にそう言って、手を差し出して握手をしながら、
「握手の時にも、相手に良い氣を送るつもりで心を込めてね。足元に気をつけて帰りなさい」
こんな些細な事にも相手の為に気を配り満面の笑顔で送り出してくださった奇跡の人。
私は背中に強い氣を感じて、ゆっくりと彼の家を後にしました。
