同じ話を聞いても、同じ景色を見ても、
人によって違った風景に感じることがあります。
母(92歳)が入所している認知症介護施設の、
「絵画療法(アートセラピー)」を見学したことがありました。
壁一面に映し出されたルノワールやゴッホなどの絵画。
一枚一枚の絵を順番に観ながら、
その絵について一人ひとりが感じたことを発表するのです。
認知症の母は、絵の風景の中に、
生まれ育った長野の景色を見ていました。
昔の話を楽しそうに話していました。
私の知らなかったことや、
母が感じてきた心を垣間見ることができました。
同じ絵を見ても、感じ方は人それぞれ。
本人たちは、人の感想や意見になどに左右されません。
素直に自分の感想を話していました。
一枚の絵画にその人の心が反映されています。
絵の中にその人の人生を垣間見ながら、
いろんな発想や気づきに驚かされました。
とても楽しい時間なのです。
************
主人の会社に、外国人の社員がいます。
言葉の壁を克服して立派に仕事をする人です。
しかし、なぜかその人に対する評価や見方が
報告する人によってバラバラなのです。
「あの人は仕事が遅い」「常識がない」とか・・・
性格的なことまで批判する人もいるのです。
酷い場合は・・・
「首にした方がいいんじゃないですか」
そのような事をいう人もいるのです。
まるで”偏見やいじめ”としか見えません。
************
心は目のフィルタ―。
見たものは心というフィルターを通して感じているのです。
娘たちが子供のころに話してあげたお話。
即興で作った『サングラスの話』を紹介します。
広い牧場に一匹の白い羊が草を食べていました。
それを見た一人の人が・・・
「あっ、白い羊だ!」と言いました。
二人目は「赤い羊だ!」と言いました。
そして、三人目は「違うよ!茶色の羊だよ」
なぜ同じ羊を見たのに、白、赤、茶色に見えたのでしょうか?
(う~ん なんで~?)
それはね・・・
赤く見えた人は赤いサングラスをしてたの。
茶色に見えた人は茶色のサングラスをかけていたんです。
(なあ~んだ! そっか~~)
同じ物を見ても人によって違って見えたり感じたりするのよ。
心にサングラスを掛けているからなの 。
(心にサングラス? どうやって掛けるの?)