長野県八ヶ岳連峰に位置する百名山の一つ蓼科山(標高2531m)に登った時、
一組の親子が貴重な体験をしました。
山に登る前日、母親が言いました。
「明日、息子は山に連れて行きません。私は登りますけど・・・、
この子は高いところから降りることを怖がります。
だから学校での林間学校には一度も行かせたことはないの」
「それならば、今回は良い経験になりますね。
息子さんも一緒に連れて頑張って登りましょう!」
とは言ったものの、幼稚園児でも登れる山ではありますが、
頂上付近は大きな岩がゴロゴロした急な登りの難関になります。
それにお母さんがあまりにも中学生の息子さんを心配しています、
ここは本人たちの判断にゆだねることにしました。
翌日の朝は素晴らしい良いお天気。
めざす山頂がはっきりと見えます。
朝7時、青年たちを中心に張り切って出発しました。
この親子も一緒でした。
いつもお母さんとべったりの子のようですが、
頂上まであと30分のところで母親は息子を若い男性に託し、
自分は将軍平に留まることにしました。
母親のまさかの挫折なのか?
それとも意図的?
将軍平から頂上までは、ちょっと大変な道ですが、
あとわずかで360度の大パノラマが待っています。
母から離れた息子さんは、一行に交じって1人で登っていきました。
頂上は360度の大パノラマ。
霧がはげると信州の山々が一望できます。
1時間ほど過ごしてから下山することにしました。
元の道を戻りながら将軍平までは、
高い岩から飛び降りる様な危険な道です。
彼は、母親が待っている将軍平まで下山すると、
母親と自信満々な顔で再会しました。
母親に抱きしめられると彼の目から涙があふれました。
その夜、子供達が寝静まった時間、
母親と私は子供達の成長をお茶で乾杯しました。
「こんなに強い子だとは思いませんでした」
と言う母親の目にも涙が光っています。
子供の育児や教育をする中では親の心配が絶えません。
「心配しすぎだ!」と私もよく言われます。
母親の心配は子供が何歳になっても絶えません。
しかし、親が心配したら、
心配したとおりになってしまうと聞きました。(゚д゚)
だから、時々こんな言葉を思い出します。
「先のことはできるだけ心配せず、マイナスの考えもしない」
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*神様の手に委ね、心配してはなりません。
恐れている事を引き寄せないためです。
*『なぜ怖がるのか、信仰の薄い者たちよ』
(マタイ福音書八/二十六)
*過去の失敗談、苦労話などを口にする頻度が高いと、
嫌でも脳に「失敗癖、負け癖」がつきます。
*苦労話をする人ほど苦労が足りない人です。
過ぎた事は「良い経験をした」と思うようにします。
*何か物事がうまくいかなかったとき
「弱音を吐いて成功した人はいない」と自分自身に言い聞かせます。