新宿5丁目の交差点の横断歩道を渡っているときの出来事である。
2歳の孫の手を引いて、娘と3人で渡っていた。
ところが、横断歩道のど真ん中で、
孫が突然立ち止まった!
孫は小さな右手を目の上にかざしている。
どうしたのだろう?
孫の目線が向かっている方向を見ると、
横断歩道の先に交番があった。
その交番の前に立っていた若い警察官が、
こちらに向かって敬礼のポーズをしていた。
どうやら、孫と警察官は互いに向かい会って敬礼をしていたのだ。
娘が孫をせかすように横断歩道を渡ったが、
双方のポーズは渡り終えるまで続いていた。
警察官はニコニコ笑っていた。
孫はいつの間に、こんなサインを覚えたのか。
新宿5丁目交差点の角にある小さな交番。
靖国道りの車と人通りの激しい道路に面している。
飲食街やショッピングビルが立ち並び、
昼夜を問わず人通りも激しい。
「新宿御苑」の行き帰りの人を、見守るように、
一時も目を離せない忙しい交番なのだ。
帰り道、再び5丁目の交番の前を通って、
驚いた!
なんと、あの優しい警察官が、
再び孫に向かって敬礼をした。
孫は後ろを何度も何度も振り返っては止まり、
後ろに向かってサインを送った。
この交差点を渡るたびに、
この時の温かいシーンが蘇ってくる。