忙しいという字は、“心を亡くす”と書き、
慌てるという字は、“心が荒れる”と書きます。
漢字って面白いですね。
毎日平和に暮らしている私達が
もし、事故や災害などパニックに陥ったら、
どんな行動を起こすかと考えてみるとき、
思い出すのは、映画の「タイタニック号」です。
氷山にぶつかったタイタニック号が
暗い海に沈んでいく映画のシーンです。
右往左往する乗客、我先に救命ボートに乗る人、先を譲る人、
パニックをよそに音楽を奏でる人
そういう極限状態の時に、人間の本当の姿が見えるそうです。
こんな話を聞きました。
嵐の中を航海していた船が、荒れ狂う波と風にもまれ、
乗員は恐怖と不安に陥っていました。
その中でたった一人、船底の隅で静かに祈っている人がいました。
その人はお坊さんのようでした。
「こんな大変なときに祈っている場合ですか!
甲板に行って水をかき出す手伝いでもしてください!」
と、非難されたのです。
やがて風と波は収まり静かな時が訪れました。
たくさんの人が恐怖から救われたのです。
“たった一人でも人の安全と無事を祈るならば、
その船は沈まない”
と言います。
家庭においても同じ事が言えます。
たとえどんな過酷で悲惨な状況に置かれても 、
たった一人、家族の安全と幸せを祈る人がいるならば
その家庭は守られると言います。
恐怖、不安、動揺などマイナスの心は、マイナスの波動を発し、
マイナスの状況を引き寄せることになるのです。
反対にプラスの波動は、プラスを引き寄せます。
たとえどんな状況に置かれても、
それをどのように受け止めるのか、
決して慌てず、動揺せず、感謝で受け止める。
いざその場に立ったら、難しいことかもしれませんが、
静かに祈りたいものです。
そんな柔軟な心を持つならば、
どんな状況もきちんと対処することができ
治めることができると言います。
心を亡くしてはいないか・・・。
心が荒れてはいないか・・・。
きょうも、静かに自分の心に訪ねてみます。