<ありがとうの魔法>
(岡田圭子さん:70歳 滋賀県栗東市)
うちのおばあちゃん
百一歳
何をしてあげても
ありがとう
食事を作っても
ご飯を口に運んでも
ありがとう
着替えを手伝っても
ありがとう
手を拭いてあげても
ありがとう
ありがとうの魔法で
私の心は
幸せ色
<気まま>
(浜田亘代さん:86歳 兵庫県川西市)
昨年暮れ、決心した。
今春から介護施設のお世話になろうと。
昨秋、右肩を痛めた。
右がダメなら左手でと、そうは簡単にいかない。
箸は右手でと幼時にたたき込まれたおかげで、
左手の方は、知らぬ顔である。
ラップが切れない。やたら回転してフィルムの流れを作る。
ペットボトルの栓は、
回せるものなら回してごらんとばかりにビクともしない。
独り暮らしの気ままも頓挫をきたした。
子供達2人は空き部屋もあるから、
いつでもおいでと申し出てくれている。
それぞれのつれ合いたちも口をそろえて
歓迎の意を表している。
が、子供たちも、そろそろ定年退職の年を迎える。
これから夫婦で旅行にも行けるし、
趣味に浸ることもできるのだ。
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strong>私自身も寝たいときに寝て、
食べたい物を食べ、
の気ままな生活を離れがたいし、
この年齢では夜中の病変も不安だ。
近ごろは、やたら高い入所金の必要な施設ではなく、
庶民の年金でまかなえる、
いわば介護つき賃家という形態の施設が各所に作られている。
これだ!
先のことを思い煩うことはない。
規則を守って、気まま生活を送ればいいのだ。
どういう私の生活を築き上げていこうか?
と春が待たれる。
現在、グループホームに入所している母(92歳) 元気に暮らしていますが、 ここ数年で認知も進み、 私以外の家族や親族の顔を忘れてしまいました。