東京五輪の陸上男子800メートルで起きた思わぬアクシデントが感動を呼んだ。
アクシデントが発生したのは1日の準決勝の最後のカーブで起きた。
先頭集団の中でアイザイア・ジュエット(24歳・米国)は自身の足が絡まり、転倒してしまった。
すると、真後ろを走っていたニジェル・アモス(27歳・ボツワナ・12年ロンドン五輪銀メダリスト)
も巻き込まれて転倒。
2人は集団から大きく置いて行かれてしまった。
失意の2人は一度は座り込んでしまった。
しかし、敗退が決まっているにも関わらず、ゴールを諦めなかった。
転倒して「心が折れた」ジュエット。
前を向き、共に転倒したアモスを抱き起こして
立ち上がり2人は片膝をついたままがっちりと手を握り合った。
「行こう」「ゴールしよう」と声をかけた。
そして再び走り出す。
ジョギングのようなゆっくりとした速度だが、
2人一緒に並走したままゴールした。
先にゴールした選手からは50秒近く遅れていたが、
同じ組で走った各国の代表たちも笑顔で出迎えた。
2人が肩を並べてゴールすると、
「感動的なシーン」「これぞオリンピックのスポーツマンシップ」「美しい光景」
などとSNS上で感動が広がった。
無観客でなかったら競技場に感動の嵐が沸き起こったであろう。
アニメ好きなジュエットは、レース後のインタビューで
「アニメのスーパーヒーローはどんなに怒っていたとしても、
一日の最後には英雄になる。僕も同じことをしたんだ」と答えた。
アモスも
「勝ち抜くチャンスはあったが、800メートルではこういうことが起きるものだ」
肩を並べてのゴールについて「United by Emotion」と口にした。
今大会の開会式のモットー
「United by Emotion(感動で私たちは一つになる)」
を体現したような2人の友情に世界から称賛の声が送られた。
アメリカのNBCテレビは、
「2人のレースは短いものになったが、究極のスポーツマンシップを見せてくれた」
と動画付きで投稿。2人の友情をたたえた。
参考:
・読売新聞
・Yahooニュース
・世界日報