『大箱一杯くださった人にも礼状は書くが 、
柿一個くださった人には、なお丁重に書く』
これは高森顕徹さんの著書の中にある言葉です。
*******
先日、和菓子を買いに行き
そのお店の繁盛の秘密を発見しました。
お店の雰囲気がなんとなく好きで
和菓子好きの人に差し上げるお土産を買うときは
創業明治39年の歴史を持つ老舗“○○饅頭”本店に行きます。
饅頭とぬれ甘なっとが有名な和菓子のお店です。
『日本一高い日本一うまい○○饅頭』
と店舗の大きな看板に書いてあります。
その有名なお饅頭は、1個386円(現在410円)でした。
店内でお菓子の注文が済むと
「しばらくお待ちください」と店員さんに
店の片隅にある小さなテーブルに案内されました。
しばらくして女性店員さんが
「どうぞ…」と言って運んできたものは、 日本茶とお味見のお菓子でした。
お茶とお菓子を頂きながら
何気なく振り返った私の後ろに
お店のモットーなのか額に入った色紙が掛かっていました。
そこには
『来る人も 又来る人も福の神』と書いてありました。
店員さんに尋ねると、お店の先代さんが
お坊さんに書いていただいた言葉であるとか…。
(なるほど…この店はこのようにして お客様を大事にしていらしゃるのか…)
会計が澄み綺麗にパッケージされた包みを頂いて
お店を出ようとしたら
店員さんが店の外までついてきました。
そして「ありがとうございました」
と丁寧に頭を下げました。
(なるほど… 私も福の神の一人なんですね…)
たぶん、このお店は
お饅頭1個買ったお客さんも
そのように大切にするのでしょう。
今ではいろんなお菓子を売る店がたくさんあります。
安くて美味しいものや珍しいものなど…
しかし、この店が長い間ずっと
この饅頭を作り続けて来れた理由が
分かったような気がしました。
(2010年6月記)