ひとしきりの雨が止み雨滴を宿して少しずつ色を変える
梅雨の季節の代表的な花と言えば紫陽花(あじさい)。
色の変化は土壌のpH値に影響するとか・・・
変化しながらしだいに色あせて、やがて枯れていきます。
その変化のプロセスから時の移ろいを感じます。
いつも見る同じ風景も見方によれば、新しい発見があるものです。
紫陽花の花、誰かの姿に似ていませんか。
ハイハイしていた孫が歩き始めた。
一人で着替えができ、自転車にも乗れるようになった。
エレベーターの9階のボタンがいつの間にか押せるようになった。
「アレクサ」から電話をかけてきた。
今まで出来なかった事がいつの間にかできるようになった孫。
みるみる成長していきます。
ところが・・・
ペットボトルや瓶のキャップが開けられなくなった。
自転車に乗れなくなり、車の免許証返納を考える。
高いところに手が届かなくなった。
揚げ物料理をするのが怖くなった。
眼鏡や補聴器が必要になった。
いつの間にか、今までできていたことができなくなり、
得意だったものも下手になる。
人はこれを老化現状と言います。
出来なかった事ができるようになるのは「成長」。
しかし・・・出来なくなったことは「老化」ではない。
できていたことができなくなった、それも「成長」。
体力や美を失うことも「成長」。
姿勢が曲がり顔のシワが増える老化現状も「成長」です。
老いは美しい成長のプロセス、最終章です。
紫陽花の花を御覧なさい・・・
色鮮やかな美しい姿も、色あせた姿も、枯れそうな姿も同じ紫陽花です。
こんなことを紫陽花を観て感じる私は、既に色あせた紫陽花。