今からちょうど114年前の2月28日、
雪深い北海道で衝撃的な事故が起こりました。
一人の青年の命の犠牲により、多くの人の命が救われたのです。
1909(明治42)年2月28日、
官営鉄道天塩線(現・JR北海道宗谷本線)の
名寄駅を発車した列車は、旭川へ向かっていた。
しかし、途中の塩狩峠で、
最後尾の客車の連結が外れて逆走し、
勾配を下って暴走した。
満員の乗客に死が迫る。
そのとき、鉄道職員の長野政雄氏がとっさの判断で、
自らの体をブレーキ代わりに線路に身を投じて、
その身体で車輪を止め、
自らの命と引き換えに乗客の命を救ったのだ。
長野氏の殉職の死は、当時の人々に大きな衝撃と感動を与え、
後々まで多くの人に語り継がれた。
この実話を元に1968年刊行された、
小説『塩狩峠』(著者:三浦綾子)は、
クリスチャンであった長野政雄氏をモデルに、
”永野信夫”という名前で、
自らを犠牲にして多数の乗客の命を救い、
愛と信仰を貫いた生涯として著しています。
小説『塩狩峠』のエピグラフには・・・
「一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒の麦のままである。
しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる」(ヨハネによる福音書12:24)
・・・と書いています。
また、文中には「これが俺の運命だ、命の正しい使い方だ」と。
『塩狩峠』はベストセラーになり、
人間の根幹に問いかける名作として、
13ケ国語に翻訳され、1973年には映画化されました。
若い読者向けに名作・傑作を紹介する「新潮文庫の100冊」には、
50年以上も紹介され続けているそうです。
魂を揺さぶり人間の根幹に問いかける一冊の本『塩狩峠』。
生きづらさを感じる時代だからこそ読んでみたい本です。
当ブログ記事:
『わが命を犠牲にして~塩狩峠~『 https://satofamily.net/198』
参考:SUNDAY世界日報
写真のすべてはお借りしました。