怠けものを許すという「働きアリの法則」という面白い研究結果があります。
蟻の集団ををよく観察してみると・・・
よく働いている蟻は2割で、6割はほどほど、
あとの2割は働かずに歩き回っているだけだそうです。
そこで、よく働く蟻だけを集めて完璧な集団にしたはずなのに、
やはり、2割の働かない蟻が生じるというのです。
逆に働かない蟻だけの集団を作っても2割はよく働く蟻になり、
相変わらず遊んでいる蟻が2割いるそうです。
この様に、よく働く蟻が2割、普通に働く蟻が6割、働かない蟻が2割という理論を
「働き蟻の法則(2:6:2の法則)」と言うそうです。
この蟻の生態を、長谷川英祐準教授(北海道大学大学院農学研究院)が
2012年に発表しました。
<長谷川英祐準教授>
なぜこのように ” 働かない働き蟻 ” が生まれるのでしょう?
長谷川英祐準教授の実験では・・・
今まで働いていた蟻が疲れて休みだすと、
休んでいた蟻が動き出すようになるそうです。
働く蟻が疲れて動けない時に、働かない蟻が穴埋めするのです。
蟻の社会では、仕事をバトンタッチしながら
高度な生存の集団生活を営んでいたのです。
つまり・・・
仕事が途切れることがないように、働かない蟻は存在していたのです!!
休むのも相手のため・・・
なんと!!
働かない理由と働けない事情があったのです。
これは、人間社会にもあてはまる法則だといいます。
どこの社会にも2割はあまり貢献していない従業員や社員がいるそうです。
たとえば・・・
よく仕事を休む人・・・
遅刻する人・・・
仕事に集中できない人・・・
「なんと怠け者のだ!」「怠慢だ!」「無責任だ!」
・・・と見られてしまいます。
そうなってしまう理由が見えないからです。
もしかしたら・・・
体調が悪いのかもしてません・・・
何か家庭や本人に事情があるのかもしれません・・・
この様に、私たちは他人の行動を性格などで視てしまいます。
「怠け者」「不真面目」「無責任」「怠慢」などと・・・
置かれている状況は考慮せず思い込みで判断してしまうのです。
つまり、「自分のものさし」で見てしまう。
それが「自分のものさし」であることを知らずに。
ところがよ~~く観たら・・・
仕事は下手のようでも、何か他の人を楽しませたり・・・
他の人の励みになったり・・・
心をなごませたりできる人もいます。
意外な能力を発揮している人もいます。
「サボっているやつがいる組織こそが強い!」~福岡伸一(生物学者)~
他人に寛容になることは大事。
他人への寛容はそのまま自分への寛大さにも繋がるといいます。
人は支えあって、お互いに迷惑を掛け合って生きています。
お互い様なのです。
参考:
・MINAGINE HRソリューションラボ
・武蔵野(株)コラム