最近、「レジリエンス」という言葉をよく見かけます。
レジリエンスは「復元力」「回復力」「弾力」といった意味で使われることがありますが、
心理学では「逆境に打ち勝つ力」「困難を乗り越える力」としても理解されています。
困難な状況や逆境に直面しても、精神的健康を保ちながら適応し、回復する能力や、
辛い出来事があっても心が折れず、うつ状態にならずに柔軟に対応し立ち直る力を、
「レジリエンス」と呼ぶそうです。
人生には数え切れないほどのネガティブな出来事や不利な状況が存在します。
戦争、地震などの災害、死別、病気、貧困、離婚、失業、虐待、暴力などがそれに含まれます。
テレビなどで特集される、逆境や困難を乗り越えたアスリートや、リーダーや経営者のような
成功者や勝者は、皆、高いレジリエンスを持っていると言われています。
また、東日本大震災や阪神・淡路大震災など、様々な自然災害を生き抜いてきた人々も、
高いレジリエンスを持っていると言えるでしょう。
そして、今、世界中が直面している新型コロナウイルスのパンデミックにおいても、
各国が様々な分野で高いレジリエンスで戦っています。
歴史を通じて、全世界の人々が共通の問題に苦しみ、それに立ち向かい、
克服しようと努力したことはあるでしょうか。
早い段階でワクチン完成、医療従事者の皆さんのご苦労、ワクチン接種、
各部署や国々の連携プレーと協力援助…。
今、地球星全体が一つになって立ち上がろうとしています!
2020年に打ち上げられた「クルードラゴン」に搭乗した野口聡一さんを含む宇宙飛行士4人は、
新型コロナウイルスの影響を受けた世界が元の状態に戻ることを願い、
「レジリエンス」という名前を選んだそうです。
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現在、困難な状況や逆境に直面している場合は、レジリエンスを向上させる方法として、
アメリカ心理学会が提案する以下の10の項目を参照すると良いでしょう。
① 家族や友人・他人と良い関係を作ること
② 克服できない問題と捉えてしまわない
③ 変化を生活上での一部分としてきちんと受け入れる
④ 何かしらの目標に向かって進むこと
⑤ (流されず)断固とした行動を取ること
⑥ 自己発見のための機会を探すこと
⑦ 自分に対する肯定的な見方(自己効力感)を持つこと
⑧ 物事の捉え方についての展望を持つこと
⑨ 希望に充ちた見方を持つこと
⑩ 自分自身を大切にすること
(細田千尋:医学博士・帝京大学細田研究室を主催の参考文献より抜粋)