真珠は痛みと涙から産まれた宝石

幸福に生きるために
6月の誕生石はパール(真珠)です。
個人的には、ダイヤモンドより真珠が好きです。
「エッ? なぜですか?」とよく聞かれます。
 
真珠は、母貝である母体の痛みと涙から
産み出された宝石だからです。
 
かつて、真珠は「神の涙」と考えられ、
不思議な力が宿っていると信じられていたそうです。
 
イエス・キリストの使命と教えを象徴する犠牲と愛を形どり
身に着けることで、人の精神を愛の方向へ導き
母性愛、慈しみ、優しさを引き出すと言われているそうです。
 
真珠の美しい輝きには秘密がありました。
 
母貝の母体に侵入した砂粒や異物(核)による刺激や痛みに対して、
防衛反応として涙の成分で「核」を幾重にも包み込み
何年もかけて自分の身体の一部にして産み出されるのです。
 
養殖真珠の場合は貝をこじ開けて「核」を移植するのです。
どんなに痛いでしょうか。
そして、穏やかな海に戻して育てます。
しかし、母貝にとっては過酷なのです。
半分は死んでしまうそうです。
 
綺麗な真珠を産み出すことができる母貝は、
「アコヤ貝」「白蝶貝」「黒蝶貝」などだそうですが、
それらから採れる真珠はほんのわずかだそうです。
 
akoyapearl_01.jpg
 
存明寺寺報『生きる195号』の中に、
説法『アコヤ貝の涙』として、次のように著わしていました。
(その一部を抜粋しました)

異物を入れられたアコヤ貝は、
それを吐き出すことができないためを流します。
やがてその涙の成分が異物である核を何層にも覆い、
自分の体の一部にしようと包み込むのだそうです。
2年から5年という時を経て、
アコヤ貝の中には美しい輝きを持った
真珠が出来上がるということです。


アコヤ貝とは私たちのことです。
人生には思いもよらない異物と出会うことがあります。
たとえば、親しい人との別れ、思いがけない病い、
人とのすれ違いや争い、思い通りにならない現実…。
                                        

そのような時、人は苦しみや悲しみや辛さを感じるものです。
それらはまるで無理やり私にねじこまれた異物であるかのようです。
それは、吐き出したくても吐き出すことができません。
涙が流れることだってあります。
それが私たちの現実です。
                                         

真珠は、別名「アコヤ貝の涙」というそうです。
アコヤ貝には、涙を流し続けた長い歴史があったのです。
その痛みと共に生きて、流した涙の成分によって、
美しい輝きを持つ真珠が出来上がっていったのです。
                                        

異物がなくなったのではなく、
異物が輝きを持つ真珠に変化していったのです。

                                             人も、同じです。
たとえ涙を流すような現実に出会ったとしても、
あなたの苦しみや痛みはムダではないのす。                    

 
light-shine-pearl-beads-wallpaper-preview.jpg
 
本当に辛い時、悲しい時って涙も出ません。
 
受け入れて吐き出すことができなかった痛みや、
心の奥底に包み込んだ涙は、
あなたの中で、愛、慈しみ、優しさへと
真珠のように美くしい輝きに
変化していくことでしょう。
きっと・・・。
 
 
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