お盆やお彼岸になると、主人が「家系図」を出します。
すると、娘や孫が集まって来て家系図を前にして、
娘と主人の我が家の「ヒストリー」が始まります。
<主人>
お彼岸だから、ご先祖様の話をしよう。
お前の曾祖父に当たるご先祖様だよ。
お前の子供たちから見たら高祖父だね。
<娘>
私から見たら曾祖父は4代前の御先祖様だね。
<主人>
明治13年生まれ 昭和32年に78歳で亡くなったんだ。
明治、昭和の貧しい時代に長野県で農業をしながら、
篤実なクリスチャンだったそうだよ。
<娘>
「篤実」って情があって誠実ってことだね?
明治時代に、貧しい田舎でクリスチャンだった?
すごいね!
<主人>
でも、お祖父ちゃんのことは、ほとんど覚えていないんだ。
私はその頃、まだ小さかったからね。
30年前に、先祖を調べてこの家計図を作った事で、
ご先祖様のことがいろいろわかったんだよ。
田舎にあった地方誌からは、お祖父ちゃんの立派な業績がわかったよ。
ほら、ここに書いてある。
『彼はキリスト教伝道館に属し、
昭和恐慌克服の創意を持って 、
畜産において先駆的役割をしました』
昭和初期、乳牛を育て貧しい農民を酪農で
貧困から救う手助けをしたらしいよ。
今でもそのかすかな名残が田舎には残っているだろう。
<娘>
凄いねぇ~ 、立派な人だったんだね~。
<主人>
お祖父ちゃんは、東京から宣教師を招き
伝道や奉仕活動もしたらしいよ。
驚いたことに、その当時に海外宣教にも行ったそうだよ。
その活動は当時の人達に『新しい文化と精神の覚醒を与えた』と記されている。
<娘>
へぇ~!
明治時代にひいお祖父ちゃんも海外宣教したの?
私達と同じことしてたんだね。
凄い! 驚きだね~ 。
<主人>
人の人生というものは偶然と言うものはないんだ。
誰も先祖と深いつながりを持っているからね。
我知らず先祖と同じような人生を歩むってことあるんだ。
<娘>
私達家族が信仰を持ったことや 、
お母さんと私と妹が海外宣教にも出たことも
ひいお祖父ちゃんと関係あるってことかな?
<主人>
そうだね。
ご先祖の願いや、ご先祖のやり残しを託されているのかもしれないよ。
お母さんの実家はお坊さんの家系らしい 。
だから、お母さんは、今まで神道や仏教、キリ
スト教など
スト教など
いろんな宗教をかじって、信仰の使命があるみたいだ。
<娘>
なるほどねぇ~ 。
大学時代に初対面の人から
「あなたの背後には立派なお坊さんがついてますよ。
『よろしくお願いします』と言ってますよ」と言われビックリ!
それって本当だったのかもしれないね。
<主人>
私もずいぶん昔、家系図について少し勉強したんだ。
人のために尽くしてきた功労のあるご先祖様がいるって
とてもありがたいことなんだよ。
<娘>
先祖の功労のことだね?
運がいいとか、悪いとか言うけど、
運はご先祖の功労に関係すると聞いたことあるよ。
<主人>
そうだよ。
人生の変わり目(転換期)、特に受験、就職、結婚など
人生の重要な転換期に、先祖が影響するらしい。
<娘>
確かに・・・。
受験勉強をバッチリしていても、
運が悪いと試験当日に発熱しちゃったとか・・・
大事な場面で、思わぬ失敗したりね。
努力と運勢の両方が必要だってことわかるな~~。
<主人>
人生は努力+運だというよ。
努力だけで人生は切り開けないからね。
運も重要だよ。
世の中の成功者や、功労者という人たちの家系図を調べた人の話では、
そういう人には、世の中や人の為に生きた立派な先祖が多いそうだ。
それから、代々のご先祖様の夫婦仲が良いそうだよ。
<娘>
運が良い人は、順風に乗っているみたいに
トントン拍子ということが多いんだね。
<主人>
逆に、ご先祖に離婚や自殺者が多いと、
子孫は無意識に同じような考え方や人生を歩んだり、
何かにつけてマイナス思考だったり苦労が多いらしい。
不幸な人生で怨みや憎しみの多い先祖がたくさんいると、
子孫は苦労が多いそうだよ。
<娘>
へ~~。そんなに先祖が影響するんだね。
<父>
それから、家系の代々の女性の考え方や生き方も重要なんだよ。
これは、とても大事なことだから話しておきたいよ。
(後編に続きます)