なぜユダヤ人は優秀な人材を生み出すのでしょうか?
「ユダヤ人は大金持ちで成功者が多い」
「ユダヤ人は優秀だ」などのイメージがあります。
世界人口のわずか0.25%のユダヤ人が、
ノーベル賞受賞者の22%を占め、アカデミー賞受賞者の37%。
『フォーブス』の長者番付では、常に上位を占めています。
アインシュタイン、スターバックスの創始者、スピルバーグ監督・・・など、
ユダヤ人から、たくさんの天才が生み出されているのです。
この様に、ユダヤ人が優秀な人材を排出し続けている理由は、
いったいどこにあるのでしょう?
優秀な人材を排出するその鍵を握るのが、
ユダヤ教に基づく「家庭教育」と「タルムード」にあると言います。
ユダヤ人は親から、徹底した幼児教育をされるそうです。
5歳で聖典に触れ、10歳でミッシュナ(口伝律法書)を学び、
13歳でミツバ(成人)に従い、戒律を学ぶ。
15歳でユダヤ教の教えタルムードを学び、
18歳で結婚するのです。
ユダヤ人の成人は、男性で13歳、女性は12歳。
戒律を守ることが出来る年齢であり、
自分の行動に責任を持てる年齢に達したという意味のようです。
ユダヤ教には律法がしっかりとあり、
「ルールを守りなさい!」という主張の強さは、
5大宗教のうちトップだそうです。
🌸ユダヤ教の難しい律法や戒律を幼児期から教育する特殊な方法は
「素読」だと言います。
素読とは声に出して本を読む方法で、
音読とは少し違います。
音読は内容を理解しながら声に出して読み、
素読はたとえ意味が分からなくても声に出して読む方法です。
素読は、脳の活性化にも効果があるようです。
ユダヤ人は幼い頃から「素読」によって、
難解な教えをスラスラと読み、暗記して、
しだいに身に着けていくのです。
素読は、日本でも江戸時代に寺子屋で行われていた学習方法で、
「論語読みの論語知らず」ということわざもあります。
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我が娘たちのことを思い出しました。
30年以上の昔の話です。
幼稚園から帰ってくると・・・
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
「雨にも負けず風にも負けず・・・」
などと福沢諭吉の『学問のすゝめ』や宮沢賢治の『詩』、
『一茶の俳句』を大きな声で暗唱していました。
おまけに、京浜東北線の駅名を大宮から横浜までを暗唱しました。
発表会のプログラムも暗唱がメインでした。
当時は、これがどんな教育効果があるか知りませんでしたが、
幼い子供達が福沢諭吉を語る姿を、親たちは頼もしく感じたものです。
また、平成令和を生きる孫たちは、
幼稚園の3歳で九九を丸暗記していました。
幼稚園までこんな幼児教育を受けてきた娘達も、
現在、普通の母になり、おばさんになりました。
しかし、今でも丸暗記した言葉が時々口をついて出て来るそうです。
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🌸ユダヤ人の家庭教育のポイント2つ目は、「タルムード」にあります。
タルムードとは、ユダヤ教の教えです。
「タルムード」には、現実世界における
成功や繁栄につながる内容も多くあるそうです。
ユダヤ教の教え(タルムード)とはどんな教えなのでしょう?
1)笑いなさい
2)他人とは違うものを発見せよ
3)権威を憎み、権威になるべからず
4)逆境こそチャンスと考えよ
5)カネより時間を大切にせよ
6)まずは元手がいらないことから始める
7)相手の話は自分の話の2倍聞け
8)生涯にわたって学び続けよ
9)カネは奪われるが知識は奪われない
10)知識より知恵を重視せよ。
引用:『政治・教育改革はユダヤ「タルムード」の教えを手本により』
このように、ユダヤ人の親が幼児期の教育を重要視し、
幼児期から厳格なユダヤ教による徹底した道徳教育を
行なう理由とはなんでしょうか?
その理由は・・・
戒律を犯さない(犯罪を起こさない)ため、
知的な才能に価値を持たせるためなのです。
歴史的に、常に迫害の危険があったユダヤ人は、
お金や物・不動産など目に見える財産は、
権力者に奪われるリスクがあると考えました。
しかし、安心して残せるものは、
しっかりした宗教観、教育観、倫理観、道徳観です。
教育や知恵の伝承によって伝えられた目に見えない財産は、
誰からも奪われる事はありません。
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今、私たちは日本の子供たちの未来を
考えてみなければならないような気がします。
昨今の日本では・・・
宗教観を阻害し、倫理観、道徳観を軽視する傾向にあり、
教育観においても時代的に歯車が合わない・・・。
そのような日本で育つ子供たちは、
心身共に健全で幸せなのでしょうか?
外的に見ても、いつ隣大国から火の粉が飛んでくるかもしれません、
突然大きな災害や大惨事に襲われるかもしれません。
また、常識では考えられない事件や犯罪が身近で多発しているのです
そんな危機感を感じながら・・・
私たちは子供たちをどのように教育し、どのように守り、
何を残してあげたらよいのでしょう。
今、大事なターニングポイントを迎えているように感じます。
「児孫のために美田を買わず」
「魚を釣ってあげるのではなく、魚の釣り方を教えなさい」
「家庭は愛の学校」
「人づくりの基本は家庭でなされる」
などと言います。
子供達の教育や健康、安全などの責任を誰が担うべきでしょうか?
学校や社会が責任を持ってはくれません。
親が責任を持つべきなのです。
宗教観、倫理観、道徳観、教育観を
学校や社会ではなく、家庭でしっかり教育する。
「家庭教育」が非常に重要になっています。
ユダヤ人の「家庭教育」から、
ちょっと考えさせられました。
(次回に続きます)
参考:
・村田 美子(ライター:oriori知育・幼児教育情報より