「忙しい忙しい・・・」を自慢げに言ってしまう私達
「時間を守る」は人格の基準、成功者のモデルだと言われながら、
私たちは過剰な情報と目まぐるしい時間の中で生活しています。
以前のブログ『時間を守る』と相反する「遅刻」についての二つのエピソードから、
「時間」について考えてみました。
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彼は、大事な人と待ち合わせをした。
約束の相手は彼よりずっと高いポジションにいる方で、
つまり“お偉い方”である。
少し緊張気味で約束の場所に着いた。
まだ “お偉い方” は待ち合わせ場所に来ていなかった。
暫く待っていたがなかなか現れない、
「待ち合わせ場所は間違ってはいないだろうか?」
だんだん不安になる。
待つこと30分。
もしかして待ち合わせ場所を間違ったか?
すっぽかされたか?
だんだん腹立たしくなる思いを抑えて ・・・
思い切って携帯電話をしてみた。
「どちらにいらしゃるのですか?」と彼が聞くと・・・
「何やってるんだ!人を待たせておいて!」と、
“お偉い方” は電話の向こうで怒っていた。
「えっ!? あの~、私はここで30分待っているのですが…」と言うと
「私は15分も待った! なぜ5分も遅刻するのかね!?」
「時間を守れないヤツとは、これから絶対付き合わない!」
“お偉い方”は怒鳴った。
たった5分・・・
5分の遅刻で大事な約束を逃し、叱られた。
その後、彼はあの“お偉い方”に時々会うことがある。
そのたびに「すみませ~ん」が最初の挨拶言葉になった。
顔もまともに上げることがでず生涯頭が上がらない。
たったの5分で・・・
約束の時間を守るは、その人の人格を評価する基準にもなると言われ。
それ以来、彼は自分に誓った。
「 時間は絶対に守る! 10分早く行動を起こす!」
さて、時間についてこんな著書がありました。
トーマス・フリードマン著『遅刻してくれて、ありがとう』 (日本経済新聞出版 )
このようなエピソードが書かれています。
著者は、ワシントンDCにあるニューヨーク・タイムズ支局近くで、
朝食をはさんで政府高官やアナリストたちの話を聞いたりしていたそうです。
ところが・・・
相手が、ときどき10分、15分、20分も遅刻して来ることがあったのです。
そんな時、相手は必ず慌てて言ったそうです。
「地下鉄が遅れて・・・」
「道路が渋滞で・・・」
「目覚まし時計が故障で・・・」
「子供の体調が悪くて・・・」
あるときから、著者は彼らの遅刻がまったく気にならなくなったそうです。
「いや、謝らないでくれ。それどころか遅刻してくれてありがとう」
「あなたが遅刻してくれたおかげで自分の時間が持てた」
「待ち時間に隣の席のカップルの会話を盗み聞きして、おもしろかったよ」
「おかげで、じっくり考える時間が持てて考えがまとまった」
などと・・・友人に説明していたそうです。
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目まぐるしい時間の速度に振り回され、疲れ果てている私達。
メリーゴーランドに乗ってでもいるようだと著者は言います。
待たされたたった5分の時間に何をするのか、どうとらえるか。
イライラする? ありがたく思う?
たったの5分で人生は180度変わるかもしれない。
時にはメリーゴーランドから下りて、一時停止してみる。立ち止まってみる。
時間に追われる自分をリセットする時間を持ちたい。
子供たちと公園に行ってみよう。
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g>時にはスマホを手放してデジタルデトックスしてみよう。
g>時にはスマホを手放してデジタルデトックスしてみよう。
鳥のさえずりや雨音を聞いてみよう。
『機械は一時停止で止まってしまうが、人間はスタートするのだ』(ダヴ・サイドマン)
『立ち止まるたびに、私は使命を聞く』(ラルフ・フォールド・エマーソン)
参考:トーマス・フリードマン著『遅刻してくれて、ありがとう』 (日本経済新聞出版 )