一寸先も見えない濃霧の夜道を車で走ったことはありますか?
それは非常に恐怖と危険を伴うものです。
私達は、長野県蓼科高原に向かう高原の道を、子供達を車に乗せて走っていた。
昼間であれば、美しい高原の風景と風を切って走り抜けるはずであった。
しかし、その日は真夜中。
突然、車は霧に囲まれ、次第に濃霧に変わって先が見えない。
一寸先も見えないとはこのことだ。
ヘットライトの光は、霧に当たって乱反射し、
さらに白さが増して前方が見えにくくなる。
ヘッドライトを消した。
街灯もない真っ暗な山道。
車のスモールライトを頼りに、左の路肩を確認しながら、慎重にゆっくりと走る。
真夜中の山中で対向車がないのは幸いであった。
突然・・・
オレンジ色の小さな丸い光が目前に飛び込んだ!
動物の目にライトが当たったらしい。
カモシカの子連れが道路の真ん中に突っ立って、こちらをジッと見ていた。
彼らもきっと驚いたに違いない。
車のハンドルにしがみついて、急ブレーキを踏む。
カモシカの親子は闇の中に走り去った。
山道の路肩から少しでも外れたり、動物にでも当たったら大事故になる。
恐怖で体がこわばる。
後ろの座席では、大事な命が寝息を立てている。
ここで立ち止まり、しばらく様子を見たほうが良いのか?
いいえ、必ずどこかで霧はげる。
だから見えない先を信じて、慎重に先を行こう。
しばらくすると・・・
今度は突然周りが暗黒の世界に変わった。
フロントガラスから空を見上げると、澄み切った夜空に無数の星が光っていた。
霧が消えたのだ!
私たちの日々の生活や人生の中でも、これと似たような事がたびたび起こります。
恐ろしい道、難しい道、危険な道、一歩も先に進みたくない道。
されど、先に行かなければならない、人生の道があります。
そこで立ち往生して現状に留まるのか・・・
それともUターンするのか・・・
それができなければ、先に進むしかない。
たとえどんなに困難な環境に遭遇しても、
諦めず、逃げないで、見えない先を信じて行きたい。
韓鶴子総裁の著書、自叙伝『平和の母』の中に、
「一寸先も見えない砂嵐の中で一本の針を探す」という言葉があります。
目も開けることすらできない荒漠の中をたったひとり歩み、一本の針を探し出す”平和の母”
「どんなに困難な道でも諦めず、希望を持って進むことが大切
そこを突破していく強い信念と、勇気と希望を持って歩むなら、必ず道は開け、目的地に到達できるのだ」と、彼女は教えている。
だから、同じ目的地を目指すなら、一人ではなく同じ志を持ったくさんの人達と行こう!